財団の概要

 公益財団法人 日工組社会安全研究財団は、昭和62年8月に発足して以来、「我が国の人々が犯罪と無縁でいられる安全で安心な社会を創るための研究及び事業を振興し、公共の安全と秩序の維持に寄与する」ことを目的として、広範な事業を行ってまいりました。

 我が国の犯罪情勢を顧みますと、刑法犯認知件数は、平成14年に戦後最多の285万件を記録した後、毎年減少しているものの、国民の心胆を寒からしめる無差別凶悪事件をはじめ、児童虐待やサイバー犯罪が増加しているほか、ストーカー事案、配偶者からの暴力事案も依然として多数発生しており、これらの事案が深刻な被害をもたらす事例が後を絶ちません。

 犯罪は、社会の変化に伴って、その形態を変えていきます。現在の振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の横行は、高齢化社会への進展に伴う事案として顕著な例であると認められますし、そのほかにも
  ○ スマートフォン等携帯電話の普及に伴う少年の福祉を害する犯罪の横行
  ○ インターネットが社会基盤として定着したことに伴うサイバー犯罪の深刻化
  ○ 経済・金融のグローバル化の進展や通信技術の発達を背景とした組織犯罪の増加
  ○ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う混乱に乗じた詐欺等の増加
などが挙げられます。

 政府は、「世界一安全な国、日本」の復活を掲げて、関係行政機関における緊密な連携を確保し、有効適切な対策を総合的かつ積極的に推進しています。

 当財団も、微力ではありますが、犯罪と関わりのない安全・安心な社会を実現するため、今後も努力を重ねてまいる所存でございます。

公益財団法人 日工組社会安全研究財団 会長  椎橋 隆幸