事業助成対象団体からの声

・・・暴力団訴訟問題を解決・・・

 平成24年11月27日に全国暴力追放運動中央大会(東京)に参加して、思いがけず、全国で只ひとつの団体として、暴力追放功労特別賞を頂きました。
 表彰理由は、暴力団事務所を訴訟によって排除する事に成功したといった事でした。
 事件発生から全てが解決するまでの約2年7ヶ月余の間、大小を含めて事件事故等の発生が皆無だった事は特筆に値するものとして、係わった役員一同も自負しております。
 勿論、その功績は警察組織の、特に管轄署刑事二課課長以下全課員及び管轄交番署員による、圧倒されるほどの勢いでの長期に及ぶ警戒警備態勢の賜と感謝しております。
 事の次第は、数年前の駐輪場盗難事件をきっかけに、防犯カメラを各所に設置しておって、常に監視していた結果、最初に、通常人物とは雰囲気の異なる人物達の動きに気付き、不審に思って監視を密にしていた結果、早い時点で、暴力団であろうと判断して、警察へ通報して調査を依頼し、その調査の結果、暴力団事務所の開設を確認したので、その対策として弁護士に暴追訴訟手続を依頼した次第です。 その後からは、管理員による監視を厳重にして毎日監視カメラの録画により、昼夜を問わず24時間彼らの行動を記録保存及び、管理員による同上記録を文書にして保存、これらの事細かな資料を弁護士及び警察に提出して、訴訟及び警備対策の資料として利用してもらっていました。
 訴訟対策等の為の集会開催においても、十数名の警察署員と警察車輌及び、幟旗等々で物々しい雰囲気での警察による警備態勢で、とても、暴力団が近づけるような状況ではなく、安心してゆとりある状態での数回に及ぶ会合も実施できました。
 弁護士事務所への訴訟手続依頼後直ちに、暴力団事務所の使用差し止め仮執行が裁判所よりなされたので、その後の組事務所への組員の出入は一切ないままの状態で裁判が進められました。 やがて判決は当方の完全勝訴の判決でしたが、相手側は一審判決に不服を申し立て、控訴手続によって高裁で争う事になりました。がしかし、裁判官による和解勧告もあり、原告、被告両弁護士による和解協議を行なった事によって早期に和解がまとまり、当方が暴力団事務所を買い取る形での和解が成立しました。
 価格は、彼らが購入した金額に、同事務所の改修に要した金額を加算した合計金額として完全に和解が成立したものであります。
 以上が、暴力団事務所開設から、同事務所排除までの、我々が直接係わって解決したまでの概要ですが、解決まで2年7ヶ月の期間を要したものの、特に一般市民にはとてもまともに相対して対抗出来ない特殊な団体である暴力団と云う組織を相手に、我々が訴訟を通じて順調に難題に遭遇する事も無く解決するに至った事は、直接には警察組織及び法曹界等の力によるものですが、これには実はもう一つの強力な裏技がありました。
 この裏技が無かったならば、私達はさらに大きな困難に直面していた事と思います。
 世間に於ける諸問題解決には、正義を主張するにしてもそれなりの経費が掛る仕組みになっておりますが、この裏技とは、その費用を、暴力団追放運動関連費用に限り訴訟費用や諸経費を快く引き受け、助成金として肩代わりして払ってもらえる組織があると云う事を教えて頂いたことです。 しかも払ってもらった費用である助成金は返却不要で、それにその後の我々に対して如何なる債務の負担をも要求しないと云う、私たちにとって極めて一方的に都合の良い経済的援助システムであります。 このほかに、最高5百万円までの無利子貸付金制度もありますがここでは説明を省きます。
 最初に弁護士と訴訟依頼契約を締結して、弁護着手金ほかの諸費用を支払い、その後の費用は少なくとも百万円以上は最低必要であろうと、金策を覚悟しておりました。
 しかし、途中で所轄署刑事二課係長により、上記の助成金システムの存在と(公財)県暴力追放運動推進センターを教えてもらい、助成金申請書類まで用意して届けて頂きました。早速、同県暴力追放運動推進センター相談室長に面会して、助成金申請要領手順等の説明をしてもらいました。 申請書を持ち帰り、説明に従って必要事項をそれぞれ記入して再度同暴追センターへ助成金申請書を持参、(財団法人)社会安全研究財団(東京)宛に提出を依頼しました。
 同(財)社会安全研究財団(東京)からは早速、審査の結果として助成金を支給する旨の内定通知が届けられ、早速申し込んだ金額が口座に振り込まれた。
 私たちの訴訟は二審(高裁)にまで及びましたが、二審では新たに弁護士着手金ほかの訴訟費用が再度必要になりました。
 そこで、再度の助成金受給申請伺いをした結果、同財団により快く承諾頂き、二審に要する訴訟関係費用全額の助成金の支給もしていただきました。
 解決まで3年弱の日時は要したものの、暴力団追放運動作業手順は、前記のとおり、懸念していた事件事故も無く、おかげ様で極めて順調に進行して解決に至りました。
 以上が、初めての体験であった暴力団追放運動訴訟に於いての関係者の暴追に対する意識高揚にも極めて効果的であった裏技とも云える助成金受給申請から受給までのあらましです。 振り返って思うことは、自分たちの生活エリアに突然暴力団関連施設が出来れば、間違いなく、少なくともそのエリア内の全住民はそれを排除しようと立ち上がる事でしょう。 ウイルスやバクテリアなどは人間が生きている限りは存在し続けますので、我々が健康で生きて行く為にはそれらとの闘いは避けて通れません。
 同じく社会安全を脅かす社会の病原菌的存在の暴力団も人間社会が存在する限り存続する性質を有しております。 したがって、未来永劫安全でより良い社会を築き、それを維持して行く為には、暴力団との闘いはやはり避けては通れないものでしょう。
 私たちの闘争の途中でも、近くで暴力団による殺人や発砲事件等も数件発生しました。
 暴力団施設等が自分の生活圏に出現すれば、前記のとおりエリア内全住民は立ち上がって闘おうとする事でしょう。 しかし、体験して思ったことですが、一般の市民にとって暴力団は特殊な異質な存在であり、感覚的にも馴染めません。
 それよりも、相手と顔を合わせる事にさえ怯えを感じて尻込みしてしまうものです。従って、必然的に自治会や組合の役員が代表で訴訟なり、排除運動をすることになります。暴追運動も一般のTVニュース等では、幟、プラカードを全面に押し立てて、シュプレヒコール等で元気の良い暴追運動が報道されて、そのようなスタイルが暴追運動であるかのように認識されているようですが、最近では特に都会地区に於いては、マンションに暴力団が事務所等を設置するケースもあって、使用差し止め命令が出されれば別ですが、それ以外の場合には同じ建物の中で暴力団排除運動をする事は不可能です。
 なぜならば、夜中でも通路で行き交う、エレベーター内で鉢合わせ等々を考えると一般の人は暴追運動で下手に顔を覚えられる事は恐怖の極みでしょうから、表立った暴力追放運動は出来ないので、隠密裏に暴追運動をしなければなりませんが、彼らと同じ建物の中で生活していれば、それもなかなか困難を極めます。 
 途中で出てきました裏技の話に再度ちょっと触れて終わります。
 私たちの暴力追放訴訟は期日こそ多少要したが、何事も無く比較的順調に解決に至った事は前述の通りであります。
 先ず、問題解決において訴訟に関する全てを弁護士に代行してもらって、私たちは法廷での証言さえする事無く、只の一度も出廷して相手側と顔を合せる事さえせずに解決に至ったものであります。
 さらに、弁護士費用等の訴訟費用は全額“(財)社会安全研究財団”(東京)からの助成によって支払って当方の出費は0円であり、他に多額の出費予定を控え、更に相手側物件購入費用も用意せねばならず、ここにおいて多額の助成金を賜わった事には運動参加関係者一同費用の心配をする事も無く、心理的にもゆとりを持って暴追運動ほかに専念できて、おかげで事後の処理作業についても大いに意気が上がって居るところであります。私はあえてこの助成金をもって“暴追運動の裏技”と表現させていただきます。
 このような各県暴追センターによる暴追訴訟代行及び社会安全研究財団による暴追運動経費及び訴訟費用助成制度は大いに利用すべく、これらを積極的に利用する事によってより安全な社会を造ってゆく事にも貢献する事になるものと思います。
 その為のせっかくのシステムでもあります。
 只、たいていの方は、国の組織に準ずる機関であるので助成金申請手続きは複雑であろうと敷居を高く感じて敬遠される向きもあると思いますが、それは大違いでした。
 実際2回も申請して2回の助成金を頂いて思った事は、銀行の方が何倍も敷居が高いと感じた次第であります。
 暴力問題でお悩みの方は是非一度、最寄りの県暴力追放運動推進センターへお気軽に問い合わせてみられては如何でしょうか。